会社更生手続きと民事再生手続きの違い

会社更生手続と民事再生手続の主な違いは以下の通りです。

担保権者、優先債権者(租税債権等)の手続取り込みとスピード感

取り込む債権者の種類の違い

民事再生法では、担保権者は別除権者と呼ばれ、民事再生手続とは「別」に「除」かれた「者」として、再生手続が開始していても、その権利を行使することができます。

つまり、担保権を設定している債権者は、その担保権の時価までの回収は約束されていることとなります。(実際には、いろいろ交渉はしますが、法的な権利として妨げられない、ということです。)

税金も、再生手続とは別に行使可能であり、カット対象になりません。
労働債権、いわゆる未払給与*1、退職金もカット対象になりません。

一方で会社更生法では、担保権者も優先債権者も手続に取り込みます。
会社更生手続が開始されれば、担保権者も個別の権利行使ができなくなり、更生計画の中で弁済を受けることとなります。他の一般債権者グループと分けられ、担保権者グループの中で、担保権者が議決権を行使します。一般債権者ほどカットはされないにしても、民事再生手続よりは回収が少なくなるのが一般的です。

税金、社会保険料も、理論的にはカット可能ですが、一般的にはカット対象とはならないことが多いです。ただし、個別の権利行使をストップさせれるので、更生手続中は、滞納処分と呼ばれる、強制的な回収行動が制限されます。

従業員の未払給与、一般債権ほどではないにせよ、退職金もカット対象になりえます。

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