2020/08/02(日)民事再生法第136条(否認の請求)

 (否認の請求)
第百三十六条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。

4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

5 否認の請求の手続は、再生手続が終了したときは、終了する。

2020/08/01(土)民事再生法第137条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)

 (否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)
第百三十七条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、同項の決定を認可し、変更し、又は取り消す。

4 第一項の決定を認可する判決が確定したときは、その決定は、確定判決と同一の効力を有する。同項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、又は却下されたときも、同様とする。

5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

6 第一項の訴えに係る訴訟手続で否認権限を有する監督委員が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは終了するものとし、再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了したときは中断するものとする。

7 第一項の訴えに係る訴訟手続で管財人が当事者であるものは、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定又は再生手続終結の決定により再生手続が終了したときは、第六十八条第二項の規定にかかわらず、終了するものとする。

2020/07/31(金)民事再生法第138条(否認権限を有する監督委員の訴訟参加等)

 (否認権限を有する監督委員の訴訟参加等)
第百三十八条 否認権限を有する監督委員は、第百三十五条第一項の規定にかかわらず、否認権の行使に係る相手方(以下この条において「相手方」という。)及び再生債務者間の訴訟が係属する場合には、否認権を行使するため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。ただし、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る請求をする場合に限る。

2 否認権限を有する監督委員が当事者である否認の訴え(前条第一項の訴え及び第百四十条第一項の規定により受継された訴訟手続を含む。)が係属する場合には、再生債務者は、当該訴えの目的である権利又は義務に係る請求をするため、相手方を被告として、当事者としてその訴訟に参加することができる。

3 前項に規定する場合には、相手方は、当該訴訟の口頭弁論の終結に至るまで、再生債務者を被告として、当該訴訟の目的である権利又は義務に係る訴えをこれに併合して提起することができる。

4 民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定は前三項の場合について、同法第四十三条並びに第四十七条第二項及び第三項の規定は第一項及び第二項の規定による参加の申出について準用する。

2020/07/30(木)民事再生法第139条(否認権行使の期間)

 (否認権行使の期間)
第百三十九条 否認権は、再生手続開始の日(再生手続開始の日より前に破産手続が開始されている場合にあっては、破産手続開始の日)から二年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から十年を経過したときも、同様とする。

2020/07/29(水)民事再生法第140条(詐害行為取消訴訟等の取扱い)

 (詐害行為取消訴訟等の取扱い)
第百四十条 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第四十条の二第一項の規定により中断した訴訟手続のうち、民法第四百二十四条第一項の規定により再生債権者の提起した訴訟又は破産法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟に係るものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

2 前項の場合においては、相手方の再生債権者又は破産管財人に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。

3 第一項に規定する訴訟手続について同項の規定による受継があった後に再生手続が終了したときは、次条第一項の規定により中断している場合を除き、当該訴訟手続は中断する。

4 前項の場合又は第一項に規定する訴訟手続が次条第一項の規定により中断した後に再生手続が終了した場合には、再生債権者又は破産管財人において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

2020/07/28(火)民事再生法第141条(否認の訴え等の中断及び受継)

 (否認の訴え等の中断及び受継)
第百四十一条 次の各号に掲げる裁判が取り消された場合には、当該各号に定める訴訟手続は、中断する。
  一 監督命令又は第五十六条第一項の規定による裁判 否認権限を有する監督委員が当事者である否認の訴え若しくは第百三十七条第一項の訴えに係る訴訟手続、否認権限を有する監督委員が第百三十八条第一項の規定による参加をした訴訟手続又は否認権限を有する監督委員が受継した前条第一項に規定する訴訟手続
  二 管理命令 管財人が当事者である第百三十七条第一項の訴えに係る訴訟手続又は管財人が受継した前条第一項に規定する訴訟手続

2 前項の規定により中断した訴訟手続は、その後、監督委員が第五十六条第一項の規定により否認権を行使する権限を付与された場合又は管財人が選任された場合には、その監督委員又は管財人においてこれを受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

2020/07/27(月)民事再生法第142条(法人の役員の財産に対する保全処分)

(法人の役員の財産に対する保全処分)
第百四十二条 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、再生債務者の理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者(以下この条から第百四十五条までにおいて「役員」という。)の責任に基づく損害賠償請求権につき、役員の財産に対する保全処分をすることができる。

2 裁判所は、緊急の必要があると認めるときは、再生手続開始の決定をする前でも、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、前項の保全処分をすることができる。

3 第一項に規定する場合において管財人が選任されていないとき、又は前項に規定する場合において保全管理人が選任されていないときは、再生債権者も、第一項又は前項の申立てをすることができる。

4 裁判所は、第一項又は第二項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

5 第一項若しくは第二項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

7 第五項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/07/26(日)民事再生法第143条(損害賠償請求権の査定の申立て等)

 (損害賠償請求権の査定の申立て等)
第百四十三条 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判をすることができる。

2 前項に規定する場合において、管財人が選任されていないときは、再生債権者も、同項の申立てをすることができる。

3 第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

4 裁判所は、職権で査定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。

5 第一項の申立てがあったとき、又は職権による査定の手続の開始決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。

6 査定の手続(第一項の査定の裁判があった後のものを除く。)は、再生手続が終了したときは、終了する。

2020/07/25(土)民事再生法第144条(損害賠償請求権の査定に関する裁判)

 (損害賠償請求権の査定に関する裁判)
第百四十四条 前条第一項の査定の裁判及び同項の申立てを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

2 裁判所は、前項の決定をする場合には、役員を審尋しなければならない。

3 前条第一項の査定の裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/07/24(金)民事再生法第145条(査定の裁判に対する異議の訴え)

 (査定の裁判に対する異議の訴え)
第百四十五条 第百四十三条第一項の査定の裁判に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

3 第一項の訴え(次項の訴えを除く。)は、これを提起する者が、役員であるときは第百四十三条第一項の申立てをした者を、同項の申立てをした者であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

4 職権でされた査定の裁判に対する第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは再生債務者等を、再生債務者等であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。