企業再生税制の基本

2022/08/26 12:22

企業再生税制の一般論

企業再生時(事業再生)には、税務の特則があります。
企業再生においては、債務免除がなされることが多く、原則として、その債務の免除益は、税務上の益金(収入)として課税の対象となります。

債務免除益は課税対象

債務免除益は多額になる場合が多く、これを原則のまま課税すると多額の税金が発生し、事業再生、企業再生を妨げることとなります。また、そもそも、債務全額を払うだけの収益性、財務の健全性がないからこそ債務免除を受けるのですから、そこに担税力を見いだすことは困難です。

債務免除益を吸収する税制

一方で、単純に、"債務免除益は課税対象外"とすると、制度を悪用したり、現実に即さない場合もありますので、①資産の評価損失、②期限切れ欠損金の利用、という特則を設けることで、債務免除益を吸収しやすくする税務政策となっています。

したがって、債務免除がすべて非課税になる、ということではなく、債務免除にぶつける損失(繰越欠損金含む)を幅広く認めることで、企業再生に支障がなるべくでないような設計となっています。

対象となる企業再生(事業再生)

会社更生手続、民事再生手続などの法的整理はもちろん、私的整理手続も一定の条件を満たせば、適用可能となっています。

理解のためには、民事再生手続での税制を把握し、それを他に応用するのがよいかと思います。