2020/04/21(火)民事再生法第235条(計画遂行が極めて困難となった場合の免責)

 (計画遂行が極めて困難となった場合の免責)
第二百三十五条 再生債務者がその責めに帰することができない事由により再生計画を遂行することが極めて困難となり、かつ、次の各号のいずれにも該当する場合には、裁判所は、再生債務者の申立てにより、免責の決定をすることができる。
  一 第二百三十二条第二項の規定により変更された後の各基準債権及び同条第三項ただし書に規定する各再生債権に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。
  二 第二百二十九条第三項各号に掲げる請求権(第二百三十二条第四項(同条第五項ただし書において準用する場合を含む。)の規定により第百五十六条の一般的基準に従って弁済される部分に限る。)に対してその四分の三以上の額の弁済を終えていること。
  三 免責の決定をすることが再生債権者の一般の利益に反するものでないこと。
  四 前条の規定による再生計画の変更をすることが極めて困難であること。

2 前項の申立てがあったときは、裁判所は、届出再生債権者の意見を聴かなければならない。

3 免責の決定があったときは、再生債務者及び届出再生債権者に対して、その主文及び理由の要旨を記載した書面を送達しなければならない。

4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5 免責の決定は、確定しなければその効力を生じない。

6 免責の決定が確定した場合には、再生債務者は、履行した部分を除き、再生債権者に対する債務(第二百二十九条第三項各号に掲げる請求権及び再生手続開始前の罰金等を除く。)の全部についてその責任を免れる。

7 免責の決定の確定は、別除権者が有する第五十三条第一項に規定する担保権、再生債権者が再生債務者の保証人その他再生債務者と共に債務を負担する者に対して有する権利及び再生債務者以外の者が再生債権者のために提供した担保に影響を及ぼさない。

8 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合における第二項及び第三項の規定の適用については、第二項中「届出再生債権者」とあるのは「届出再生債権者及び住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者」と、第三項中「及び届出再生債権者」とあるのは「、届出再生債権者及び住宅資金特別条項によって権利の変更を受けた者」とする。

9 第六項の規定にかかわらず、共助対象外国租税の請求権についての同項の規定による免責の効力は、租税条約等実施特例法第十一条第一項の規定による共助との関係においてのみ主張することができる。

2020/04/21(火)民事再生法第234条(再生計画の変更)

 (再生計画の変更)
第二百三十四条 小規模個人再生においては、再生計画認可の決定があった後やむを得ない事由で再生計画を遂行することが著しく困難となったときは、再生債務者の申立てにより、再生計画で定められた債務の期限を延長することができる。この場合においては、変更後の債務の最終の期限は、再生計画で定められた債務の最終の期限から二年を超えない範囲で定めなければならない。

2 前項の規定により再生計画の変更の申立てがあった場合には、再生計画案の提出があった場合の手続に関する規定を準用する。

3 第百七十五条(第二項を除く。)及び第百七十六条の規定は、再生計画の変更の決定があった場合について準用する。

2020/04/20(月)民事再生法第236条(再生計画の取消し)

 (再生計画の取消し)
第二百三十六条 小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。

2020/04/19(日)民事再生法第237条(再生手続の廃止)

 (再生手続の廃止)
第二百三十七条 小規模個人再生においては、第二百三十条第四項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えた場合にも、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては、同条第七項の規定を準用する。

2 小規模個人再生において、再生債務者が財産目録に記載すべき財産を記載せず、又は不正の記載をした場合には、裁判所は、届出再生債権者若しくは個人再生委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。この場合においては、第百九十三条第二項の規定を準用する。

2020/04/18(土)民事再生法第238条(通常の再生手続に関する規定の適用除外)

 (通常の再生手続に関する規定の適用除外)
第二百三十八条 小規模個人再生においては、第三十四条第二項、第三十五条、第三十七条本文(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)及びただし書、第四十条、第四十条の二(民法第四百二十三条第一項又は第四百二十三条の七の規定により再生債権者の提起した訴訟に係る部分を除く。)、第四十二条第二項(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第三章第一節及び第二節、第八十五条第六項、第八十七条第三項、第八十九条第二項及び第九十四条第一項(これらの規定中約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第四章第三節(第百十三条第二項から第四項までを除く。)及び第四節、第百二十六条、第六章第二節、第百五十五条第一項から第三項まで、第百五十六条(約定劣後再生債権に係る部分に限る。)、第百五十七条から第百五十九条まで、第百六十三条第二項、第百六十四条第二項後段、第百六十五条第一項、第七章第三節(第百七十二条を除く。)、第百七十四条第一項、第百七十四条の二、第百七十五条第二項、第百七十八条から第百八十条まで、第百八十一条第一項及び第二項、第百八十五条(第百八十九条第八項、第百九十条第二項及び第百九十五条第七項において準用する場合を含む。)、第百八十六条第三項及び第四項、第百八十七条、第百八十八条、第二百条第二項及び第四項、第二百二条第一項、第二百五条第二項並びに第十二章の規定は、適用しない。

2020/04/17(金)民事再生法第239条(手続開始の要件等)

 (手続開始の要件等)
第二百三十九条 第二百二十一条第一項に規定する債務者のうち、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者であって、かつ、その額の変動の幅が小さいと見込まれるものは、この節に規定する特則の適用を受ける再生手続(以下「給与所得者等再生」という。)を行うことを求めることができる。

2 給与所得者等再生を行うことを求める旨の申述は、再生手続開始の申立ての際(債権者が再生手続開始の申立てをした場合にあっては、再生手続開始の決定があるまで)にしなければならない。

3 再生債務者は、前項の申述をするときは、当該申述が第二百二十一条第一項又は第二百四十四条において準用する第二百二十一条第三項に規定する要件に該当しないことが明らかになった場合に通常の再生手続による手続の開始を求める意思があるか否か及び第五項各号のいずれかに該当する事由があることが明らかになった場合に小規模個人再生による手続の開始を求める意思があるか否かを明らかにしなければならない。ただし、債権者が再生手続開始の申立てをした場合については、この限りでない。

4 裁判所は、第二項の申述が前項本文に規定する要件に該当しないことが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を通常の再生手続により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が前項本文の規定により通常の再生手続による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

5 前項に規定する場合のほか、裁判所は、第二項の申述があった場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があることが明らかであると認めるときは、再生手続開始の決定前に限り、再生事件を小規模個人再生により行う旨の決定をする。ただし、再生債務者が第三項本文の規定により小規模個人再生による手続の開始を求める意思がない旨を明らかにしていたときは、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。
  一 再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがある者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないこと。
  二 再生債務者について次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に当該申述がされたこと。
    イ 給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
    ロ 第二百三十五条第一項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
    ハ 破産法第二百五十二条第一項に規定する免責許可の決定が確定したこと 当該決定の確定の日

2020/04/16(木)民事再生法第240条(再生計画案についての意見聴取)

(再生計画案についての意見聴取)
第二百四十条 給与所得者等再生において再生計画案の提出があった場合には、裁判所は、次に掲げる場合を除き、再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定をしなければならない。
  一 再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由があると認めるとき。
  二 一般異議申述期間が経過していないか、又は当該一般異議申述期間内に第二百四十四条において準用する第二百二十六条第一項本文の規定による異議が述べられた場合において第二百四十四条において準用する第二百二十七条第一項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)。
  三 特別異議申述期間が定められた場合において、当該特別異議申述期間が経過していないか、又は当該特別異議申述期間内に第二百四十四条において準用する第二百二十六条第三項の規定による異議が述べられたときであって第二百四十四条において準用する第二百二十七条第一項本文の不変期間が経過していないとき(当該不変期間内に再生債権の評価の申立てがあったときは、再生債権の評価がされていないとき)。
  四 第百二十五条第一項の報告書の提出がされていないとき。

2 前項の決定をした場合には、その旨を公告し、かつ、届出再生債権者に対して、再生計画案の内容又はその要旨を通知するとともに、再生計画案について次条第二項各号のいずれかに該当する事由がある旨の意見がある者は裁判所の定める期間内にその旨及び当該事由を具体的に記載した書面を提出すべき旨を通知しなければならない。

3 給与所得者等再生における第九十五条第四項及び第百六十七条ただし書の規定の適用については、これらの規定中「再生計画案を決議に付する旨の決定」とあるのは、「再生計画案を認可すべきかどうかについての届出再生債権者の意見を聴く旨の決定」とする。

2020/04/15(水)民事再生法第241条(再生計画の認可又は不認可の決定等)

 (再生計画の認可又は不認可の決定等)
第二百四十一条 前条第二項の規定により定められた期間が経過したときは、裁判所は、次項の場合を除き、再生計画認可の決定をする。

2 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、再生計画不認可の決定をする。
  一 第百七十四条第二項第一号又は第二号に規定する事由(再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合については、同項第一号又は第二百二条第二項第二号に規定する事由)があるとき。
  二 再生計画が再生債権者の一般の利益に反するとき。
  三 再生計画が住宅資金特別条項を定めたものである場合において、第二百二条第二項第三号に規定する事由があるとき。
  四 再生債務者が、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者に該当しないか、又はその額の変動の幅が小さいと見込まれる者に該当しないとき。
  五 第二百三十一条第二項第二号から第五号までに規定する事由のいずれかがあるとき。
  六 第二百三十九条第五項第二号に規定する事由があるとき。
  七 計画弁済総額が、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、それぞれイからハまでに定める額から再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活を維持するために必要な一年分の費用の額を控除した額に二を乗じた額以上の額であると認めることができないとき。 
    イ 再生債務者の給与又はこれに類する定期的な収入の額について、再生計画案の提出前二年間の途中で再就職その他の年収について五分の一以上の変動を生ずべき事由が生じた場合 当該事由が生じた時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税、個人の道府県民税又は都民税及び個人の市町村民税又は特別区民税並びに所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第七十四条第二項に規定する社会保険料(ロ及びハにおいて「所得税等」という。)に相当する額を控除した額を一年間当たりの額に換算した額
    ロ 再生債務者が再生計画案の提出前二年間の途中で、給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった場合(イに掲げる区分に該当する場合を除く。) 給与又はこれに類する定期的な収入を得ている者でその額の変動の幅が小さいと見込まれるものに該当することとなった時から再生計画案を提出した時までの間の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を一年間当たりの額に換算した額
    ハ イ及びロに掲げる区分に該当する場合以外の場合 再生計画案の提出前二年間の再生債務者の収入の合計額からこれに対する所得税等に相当する額を控除した額を二で除した額

3 前項第七号に規定する一年分の費用の額は、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の年齢及び居住地域、当該扶養を受けるべき者の数、物価の状況その他一切の事情を勘案して政令で定める。

2020/04/14(火)民事再生法第242条(再生計画の取消し)

 (再生計画の取消し)
第二百四十二条 給与所得者等再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回り、又は再生計画が前条第二項第七号に該当することが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。

2020/04/13(月)民事再生法第243条(再生手続の廃止)

(再生手続の廃止)
第二百四十三条 給与所得者等再生において、次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。
  一 第二百四十一条第二項各号のいずれにも該当しない再生計画案の作成の見込みがないことが明らかになったとき。
  二 裁判所の定めた期間若しくはその伸長した期間内に再生計画案の提出がないとき、又はその期間内に提出された再生計画案に第二百四十一条第二項各号のいずれかに該当する事由があるとき。