2020/07/26(日)民事再生法第143条(損害賠償請求権の査定の申立て等)

 (損害賠償請求権の査定の申立て等)
第百四十三条 裁判所は、法人である再生債務者について再生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、役員の責任に基づく損害賠償請求権の査定の裁判をすることができる。

2 前項に規定する場合において、管財人が選任されていないときは、再生債権者も、同項の申立てをすることができる。

3 第一項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。

4 裁判所は、職権で査定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。

5 第一項の申立てがあったとき、又は職権による査定の手続の開始決定があったときは、時効の完成猶予及び更新に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。

6 査定の手続(第一項の査定の裁判があった後のものを除く。)は、再生手続が終了したときは、終了する。

2020/07/25(土)民事再生法第144条(損害賠償請求権の査定に関する裁判)

 (損害賠償請求権の査定に関する裁判)
第百四十四条 前条第一項の査定の裁判及び同項の申立てを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。

2 裁判所は、前項の決定をする場合には、役員を審尋しなければならない。

3 前条第一項の査定の裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/07/24(金)民事再生法第145条(査定の裁判に対する異議の訴え)

 (査定の裁判に対する異議の訴え)
第百四十五条 第百四十三条第一項の査定の裁判に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

2 前項の訴えは、再生裁判所が管轄する。

3 第一項の訴え(次項の訴えを除く。)は、これを提起する者が、役員であるときは第百四十三条第一項の申立てをした者を、同項の申立てをした者であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

4 職権でされた査定の裁判に対する第一項の訴えは、これを提起する者が、役員であるときは再生債務者等を、再生債務者等であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。

2020/07/23(木)民事再生法第146条

第百四十六条 前条第一項の訴えの口頭弁論は、同項の期間を経過した後でなければ開始することができない。

2 前条第一項の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。

3 前条第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、査定の裁判を認可し、変更し、又は取り消す。

4 査定の裁判を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。

5 査定の裁判を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

6 再生手続が終了したときは、前条第一項の訴えに係る訴訟手続であって再生債務者等が当事者でないものは、中断する。この場合においては、第六十八条第三項の規定を準用する。

2020/07/21(火)民事再生法第148条(担保権消滅の許可等)

 (担保権消滅の許可等)
第百四十八条 再生手続開始の時において再生債務者の財産につき第五十三条第一項に規定する担保権(以下この条、次条及び第百五十二条において「担保権」という。)が存する場合において、当該財産が再生債務者の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、再生債務者等は、裁判所に対し、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産につき存するすべての担保権を消滅させることについての許可の申立てをすることができる。

2 前項の許可の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
  一 担保権の目的である財産の表示
  二 前号の財産の価額
  三 消滅すべき担保権の表示
  四 前号の担保権によって担保される債権の額

3 第一項の許可の決定があった場合には、その裁判書を、前項の書面(以下この条及び次条において「申立書」という。)とともに、当該申立書に記載された同項第三号の担保権を有する者(以下この条から第百五十三条までにおいて「担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

4 第一項の許可の決定に対しては、担保権者は、即時抗告をすることができる。

5 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

6 第二項第三号の担保権が根抵当権である場合において、根抵当権者が第三項の規定による送達を受けた時から二週間を経過したときは、根抵当権の担保すべき元本は、確定する。

7 民法第三百九十八条の二十第二項の規定は、第一項の許可の申立てが取り下げられ、又は同項の許可が取り消された場合について準用する。

2020/07/20(月)民事再生法第149条(価額決定の請求)

(価額決定の請求)
第百四十九条 担保権者は、申立書に記載された前条第二項第二号の価額(第百五十一条及び第百五十二条において「申出額」という。)について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から一月以内に、担保権の目的である財産(次条において「財産」という。)について価額の決定を請求することができる。

2 前条第一項の許可をした裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。

3 第一項の規定による請求(以下この条から第百五十二条までにおいて「価額決定の請求」という。)に係る事件は、再生裁判所が管轄する。

4 価額決定の請求をする者は、その請求に係る手続の費用として再生裁判所の定める金額を予納しなければならない。

5 前項に規定する費用の予納がないときは、再生裁判所は、価額決定の請求を却下しなければならない。

2020/07/19(日)民事再生法第150条(財産の価額の決定)

(財産の価額の決定)
第百五十条 価額決定の請求があった場合には、再生裁判所は、当該請求を却下する場合を除き、評価人を選任し、財産の評価を命じなければならない。

2 前項の場合には、再生裁判所は、評価人の評価に基づき、決定で、財産の価額を定めなければならない。

3 担保権者が数人ある場合には、前項の決定は、担保権者の全員につき前条第一項の期間(同条第二項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間。第百五十二条第一項において「請求期間」という。)が経過した後にしなければならない。この場合において、数個の価額決定の請求事件が同時に係属するときは、事件を併合して裁判しなければならない。

4 第二項の決定は、価額決定の請求をしなかった担保権者に対しても、その効力を有する。

5 価額決定の請求についての決定に対しては、再生債務者等及び担保権者は、即時抗告をすることができる。

6 価額決定の請求についての決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を再生債務者等及び担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/07/18(土)民事再生法第151条(費用の負担)

 (費用の負担)
第百五十一条 価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には再生債務者の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求をした者の負担とする。ただし、申出額を超える額が当該費用の額に満たないときは、当該費用のうち、その超える額に相当する部分は再生債務者の負担とし、その余の部分は価額決定の請求をした者の負担とする。

2 前条第五項の即時抗告に係る手続に要した費用は、当該即時抗告をした者の負担とする。

3 第一項の規定により再生債務者に対して費用請求権を有する者は、その費用に関し、次条第一項の規定により納付された金銭について、他の担保権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。

4 次条第四項の場合には、第一項及び第二項の費用は、これらの規定にかかわらず、再生債務者の負担とする。この場合においては、再生債務者に対する費用請求権は、共益債権とする。

2020/07/17(金)民事再生法第152条(価額に相当する金銭の納付等)

 (価額に相当する金銭の納付等)
第百五十二条 再生債務者等は、請求期間内に価額決定の請求がなかったとき、又は価額決定の請求のすべてが取り下げられ、若しくは却下されたときは申出額に相当する金銭を、第百五十条第二項の決定が確定したときは当該決定により定められた価額に相当する金銭を、裁判所の定める期限までに裁判所に納付しなければならない。

2 担保権者の有する担保権は、前項の規定による金銭の納付があった時に消滅する。

3 第一項の規定による金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。

4 再生債務者等が第一項の規定による金銭の納付をしないときは、裁判所は、第百四十八条第一項の許可を取り消さなければならない。