2020/08/12(水)民事再生法第131条(支払の停止を要件とする否認の制限)

 (支払の停止を要件とする否認の制限)
第百三十一条 再生手続開始の申立て等の日から一年以上前にした行為(第百二十七条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。

2020/08/11(火)民事再生法第132条(否認権行使の効果)

 (否認権行使の効果)
第百三十二条 否認権の行使は、再生債務者財産を原状に復させる。

2 第百二十七条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び再生債権者を害することを知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。

2020/08/10(月)民事再生法第132条の2(再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)

 (再生債務者の受けた反対給付に関する相手方の権利等)
第百三十二条の二 第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
  一 再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利
  二 再生債務者の受けた反対給付が再生債務者財産中に現存しない場合 共益債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利

2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、再生債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が再生債務者がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
  一 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の全部が再生債務者財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利
  二 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益が再生債務者財産中に現存しない場合 再生債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
  三 再生債務者の受けた反対給付によって生じた利益の一部が再生債務者財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び再生債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利

3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百二十七条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

4 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により再生債務者財産に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により共益債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、再生債務者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。

2020/08/08(土)民事再生法第134条(転得者に対する否認権)

 (転得者に対する否認権)
第百三十四条 次の各号に掲げる場合において、否認しようとする行為の相手方に対して否認の原因があるときは、否認権は、当該各号に規定する転得者に対しても、行使することができる。ただし、当該転得者が他の転得者から転得した者である場合においては、当該転得者の前に転得した全ての転得者に対しても否認の原因があるときに限る。
  一 転得者が転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知っていたとき。
  二 転得者が第百二十七条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、再生債務者がした行為が再生債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
  三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した者であるとき。

2 第百三十二条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。

2020/08/07(金)民事再生法第134条の2(再生債務者の受けた反対給付に関する転得者の権利等)

 (再生債務者の受けた反対給付に関する転得者の権利等)
第百三十四条の二 再生債務者がした第百二十七条第一項若しくは第三項又は第百二十七条の二第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認されたときは、転得者は、第百三十二条の二第一項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。ただし、同項第一号に掲げる場合において、再生債務者の受けた反対給付の価額が、第四項に規定する転得者がした反対給付又は消滅した転得者の債権の価額を超えるときは、転得者は、共益債権者として再生債務者の受けた反対給付の価額の償還を請求する権利を行使することができる。

2 前項の規定にかかわらず、第百三十二条の二第一項第二号に掲げる場合において、当該行為の当時、再生債務者が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、当該行為の相手方が再生債務者がその意思を有していたことを知っていたときは、転得者は、同条第二項各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。

3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第百二十七条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、再生債務者が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。

4 第一項及び第二項の規定による権利の行使は、転得者がその前者から財産を取得するためにした反対給付又はその前者から財産を取得することによって消滅した債権の価額を限度とする。

5 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第一項に規定する行為を転得者に対する否認権の行使によって否認しようとするときは、第百三十二条第一項の規定により再生債務者財産に復すべき財産の返還に代えて、転得者に対し、当該財産の価額から前各項の規定により共益債権となる額(第百三十二条の二第一項第一号に掲げる場合(第一項ただし書に該当するときを除く。)にあっては、再生債務者の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。

2020/08/06(木)民事再生法第134条の3(相手方の債権に関する転得者の権利)

 (相手方の債権に関する転得者の権利)
第百三十四条の三 再生債務者がした第百二十七条の三第一項に規定する行為が転得者に対する否認権の行使によって否認された場合において、転得者がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、転得者は、当該行為がその相手方に対する否認権の行使によって否認されたとすれば第百三十三条の規定により原状に復すべき当該行為の相手方の債権を行使することができる。この場合には、前条第四項の規定を準用する。

2020/08/05(水)民事再生法第134条の4(否認権のための保全処分)

 (否認権のための保全処分)
第百三十四条の四 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。

3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

7 前各項の規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して第三十六条第一項の即時抗告があった場合について準用する。

2020/08/04(火)民事再生法第134条の5(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)

 (保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)
第百三十四条の五 前条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、再生手続開始の決定があったときは、否認権限を有する監督委員又は管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。

2 再生手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続が続行されないときは、当該保全処分は、その効力を失う。

3 否認権限を有する監督委員又は管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、前条第二項(同条第七項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が再生債務者財産に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を再生債務者財産に属する財産による担保に変換しなければならない。

4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により否認権限を有する監督委員又は管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。

2020/08/03(月)民事再生法第135条(否認権の行使)

(否認権の行使)
第百三十五条 否認権は、訴え又は否認の請求によって、否認権限を有する監督委員又は管財人が行う。

2 前項の訴え及び否認の請求事件は、再生裁判所が管轄する。

3 第一項に規定する方法によるほか、管財人は、抗弁によっても、否認権を行うことができる。