2020/12/06(日)民事再生法第26条(他の手続の中止命令等)

 (他の手続の中止命令等)
第二十六条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。ただし、第二号に掲げる手続又は第五号に掲げる処分については、その手続の申立人である再生債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。

一 再生債務者についての破産手続又は特別清算手続

二 再生債権に基づく強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は再生債権を被担保債権とする留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(次条、第二十九条及び第三十九条において「再生債権に基づく強制執行等」という。)の手続で、再生債務者の財産に対して既にされているもの

三 再生債務者の財産関係の訴訟手続

四 再生債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続

五 再生債権である共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「再生債権に基づく外国租税滞納処分」という。)で、再生債務者の財産に対して既にされているもの

2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

3 裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第一項第二号の規定により中止した手続又は同項第五号の規定により中止した処分の取消しを命ずることができる。

4 第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

2020/12/05(土)民事再生法第27条(再生債権に基づく強制執行等の包括的禁止命令)

 (再生債権に基づく強制執行等の包括的禁止命令)
第二十七条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項の規定による中止の命令によっては再生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての再生債権者に対し、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等及び再生債権に基づく外国租税滞納処分の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、再生債務者の主要な財産に関し第三十条第一項の規定による保全処分をした場合又は第五十四条第一項の規定若しくは第七十九条第一項の規定による処分をした場合に限る。

2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)が発せられた場合には、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分は、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。

3 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。

4 裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第二項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。

5 包括的禁止命令、第三項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

7 包括的禁止命令が発せられたときは、再生債権については、当該命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

2020/12/04(金)民事再生法第28条(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)

 (包括的禁止命令に関する公告及び送達等)
第二十八条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている再生債権者及び再生債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。

2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、再生債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。

3 前条第四項の規定による取消しの命令及び同条第五項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

2020/12/03(木)民事再生法第29条(包括的禁止命令の解除)

 (包括的禁止命令の解除)
第二十九条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において「再生債権者等」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該再生債権者等の申立てにより、当該再生債権者等に対しては包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該再生債権者等は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等又は再生債権に基づく外国租税滞納処分をすることができ、包括的禁止命令が発せられる前に当該再生債権者等がした再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分は、続行する。

2 前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十七条第七項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十九条第一項の規定による解除の決定があった日」とする。

3 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

5 第一項の申立てについての裁判及び第三項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/12/02(水)民事再生法第30条(仮差押え、仮処分その他の保全処分)

 (仮差押え、仮処分その他の保全処分)
第三十条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

6 裁判所が第一項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。

2020/12/01(火)民事再生法第31条(担保権の実行手続の中止命令)

(担保権の実行手続の中止命令)
第三十一条 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債権者の一般の利益に適合し、かつ、競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、第五十三条第一項に規定する再生債務者の財産につき存する担保権の実行手続の中止を命ずることができる。ただし、その担保権によって担保される債権が共益債権又は一般優先債権であるときは、この限りでない。

2 裁判所は、前項の規定による中止の命令を発する場合には、競売申立人の意見を聴かなければならない。

3 裁判所は、第一項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

4 第一項の規定による中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、競売申立人に限り、即時抗告をすることができる。

5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

2020/11/30(月)民事再生法第32条(再生手続開始の申立ての取下げの制限)

 (再生手続開始の申立ての取下げの制限)
第三十二条 再生手続開始の申立てをした者は、再生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第二十六条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、第三十条第一項の規定による保全処分、前条第一項の規定による中止の命令、第五十四条第一項若しくは第七十九条第一項の規定による処分、第百三十四条の四第一項の規定による保全処分又は第百九十七条第一項の規定による中止の命令がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。

2020/11/29(日)民事再生法第33条(再生手続開始の決定)

 (再生手続開始の決定)
第三十三条 裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。

2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる

参照

民事再生規則第17条(再生手続開始の決定の裁判書等・法第三十三条)

2020/11/28(土)民事再生法第34条(再生手続開始と同時に定めるべき事項)

 (再生手続開始と同時に定めるべき事項)
第三十四条 裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び再生債権の調査をするための期間を定めなければならない。

2 前項の場合において、知れている再生債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第五項本文*1において準用する同条第三項第一号*2及び第三十七条本文*3の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第百二条第一項*4に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。

参照

民事再生規則第18条(再生債権の届出をすべき期間等・法第三十四条)

*1 : 5 第一項第二号、第三項第一号及び前項の規定は、前条第一項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について準用する。ただし、同条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

*2 : 3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。一 再生債務者及び知れている再生債権者

*3 : 第三十七条 再生手続開始の決定をした裁判所は、前条第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、第三十五条第三項各号に掲げる者(保全管理人及び同条第四項の規定により通知を受けなかった者を除く。)にその主文を通知しなければならない。ただし、第三十四条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

*4 : 第百二条 届出をした再生債権者(以下「届出再生債権者」という。)は、一般調査期間内に、裁判所に対し、前条第一項若しくは第二項に規定する再生債権の内容若しくは議決権又は同条第三項の規定により認否書に記載された再生債権の内容について、書面で、異議を述べることができる。

2020/11/27(金)民事再生法第35条(再生手続開始の公告等)

 (再生手続開始の公告等)
第三十五条 裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第百六十九条の二第一項に規定する社債管理者等がないときは、第三号に掲げる事項については、公告することを要しない。

一 再生手続開始の決定の主文

二 前条第一項の規定により定めた期間

三 再生債務者が発行した第百六十九条の二第一項に規定する社債等について同項に規定する社債管理者等がある場合における当該社債等についての再生債権者の議決権は、同項各号のいずれかに該当する場合(同条第三項の場合を除く。)でなければ行使することができない旨

2 前条第二項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第五項本文において準用する次項第一号及び第三十七条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第百二条第一項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。

3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

一 再生債務者及び知れている再生債権者

二 第五十四条第一項、第六十四条第一項又は第七十九条第一項前段の規定による処分がされた場合における監督委員、管財人又は保全管理人

4 前項の規定にかかわらず、再生債務者がその財産をもって約定劣後再生債権(再生債権者と再生債務者との間において、再生手続開始前に、当該再生債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法(平成十六年法律第七十五号)第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあることが明らかであるときは、当該約定劣後再生債権を有する者であって知れているものに対しては、前項の規定による通知をすることを要しない。

5 第一項第二号、第三項第一号及び前項の規定は、前条第一項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について準用する。ただし、同条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

参照

民事再生規則第18条(再生債権の届出をすべき期間等・法第三十四条)