2020/11/20(金)民事再生法第41条(再生債務者等の行為の制限)

(再生債務者等の行為の制限)
第四十一条 裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
  一 財産の処分
  二 財産の譲受け
  三 借財
  四 第四十九条第一項の規定による契約の解除
  五 訴えの提起
  六 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
  七 権利の放棄
  八 共益債権、一般優先債権又は第五十二条に規定する取戻権の承認
  九 別除権の目的である財産の受戻し
  十 その他裁判所の指定する行為

2 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

2020/11/19(木)民事再生法第42条(営業等の譲渡)

 (営業等の譲渡)
第四十二条 再生手続開始後において、再生債務者等が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。この場合において、裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
  一 再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡
  二 再生債務者の子会社等(会社法第二条第三号の二に規定する子会社等をいう。ロにおいて同じ。)の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)
    イ 当該譲渡により譲り渡す株式又は持分の帳簿価額が再生債務者の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えるとき。
    ロ 再生債務者が、当該譲渡がその効力を生ずる日において当該子会社等の議決権の総数の過半数の議決権を有しないとき。

2 裁判所は、前項の許可をする場合には、知れている再生債権者(再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後再生債権を有する者を除く。)の意見を聴かなければならない。ただし、第百十七条第二項に規定する債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。

3 裁判所は、第一項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。

4 前条第二項の規定は、第一項の許可を得ないでした行為について準用する。

2020/11/18(水)民事再生法第43条(事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)

 (事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)
第四十三条 再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社法第四百六十七条第一項第一号から第二号の二までに掲げる行為(以下この項及び第八項において「事業等の譲渡」という。)について同条第一項に規定する株主総会の決議による承認に代わる許可を与えることができる。ただし、当該事業等の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限る。

2 前項の許可(以下この条において「代替許可」という。)の決定があった場合には、その裁判書を再生債務者等に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。

3 代替許可の決定は、前項の規定による再生債務者等に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

4 第二項の規定による株主に対する送達は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が再生債務者に通知した場所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。

5 前項の規定による送達をした場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第三項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。

6 代替許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。

7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

8 代替許可を得て再生債務者の事業等の譲渡をする場合には、会社法第四百六十九条及び第四百七十条の規定は、適用しない。

参照

民事再生規則第19条(事業の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可の株主に対する送達・法第四十三条)

2020/11/17(火)民事再生法第44条(開始後の権利取得)

 (開始後の権利取得)
第四十四条 再生手続開始後、再生債権につき再生債務者財産に関して再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人又は再生債務者)の行為によらないで権利を取得しても、再生債権者は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。

2 再生手続開始の日に取得した権利は、再生手続開始後に取得したものと推定する。

2020/11/16(月)民事再生法第45条(開始後の登記及び登録)

 (開始後の登記及び登録)
第四十五条 不動産又は船舶に関し再生手続開始前に生じた登記原因に基づき再生手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、登記権利者が再生手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。

2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。

2020/11/15(日)民事再生法第46条(開始後の手形の引受け等)

(開始後の手形の引受け等)
第四十六条 為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、再生債権者としてその権利を行うことができる。
2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。

2020/11/14(土)民事再生法第47条(善意又は悪意の推定)

(善意又は悪意の推定)
第四十七条 前二条の規定の適用については、第三十五条第一項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)前においてはその事実を知らなかったものと推定し、再生手続開始の公告後においてはその事実を知っていたものと推定する。

2020/11/13(金)民事再生法第48条(共有関係)

 (共有関係)
第四十八条 再生債務者が他人と共同して財産権を有する場合において、再生手続が開始されたときは、再生債務者等は、共有者の間で分割をしない定めがあるときでも、分割の請求をすることができる。

2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って再生債務者の持分を取得することができる。

2020/11/12(木)民事再生法第49条(双務契約)

(双務契約)
第四十九条 双務契約について再生債務者及びその相手方が再生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、再生債務者等は、契約の解除をし、又は再生債務者の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。

2 前項の場合には、相手方は、再生債務者等に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、再生債務者等がその期間内に確答をしないときは、同項の規定による解除権を放棄したものとみなす。

3 前二項の規定は、労働協約には、適用しない。

4 第一項の規定により再生債務者の債務の履行をする場合において、相手方が有する請求権は、共益債権とする。

5 破産法第五十四条の規定は、第一項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、同条第一項中「破産債権者」とあるのは「再生債権者」と、同条第二項中「破産者」とあるのは「再生債務者」と、「破産財団」とあるのは「再生債務者財産」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。

2020/11/11(水)民事再生法第50条(継続的給付を目的とする双務契約)

(継続的給付を目的とする双務契約)
第五十条 再生債務者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、再生手続開始の申立て前の給付に係る再生債権について弁済がないことを理由としては、再生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。

2 前項の双務契約の相手方が再生手続開始の申立て後再生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。

3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。