2020/04/06(月)民事再生法第251条(再生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)

 (再生手続の終了等に伴う破産手続開始前の保全処分等)
第二百五十一条 裁判所は、次に掲げる場合において、必要があると認めるときは、職権で、破産法第二十四条第一項の規定による中止の命令、同法第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、同法第二十八条第一項の規定による保全処分、同法第九十一条第二項に規定する保全管理命令又は同法第百七十一条第一項の規定による保全処分(以下この条及び第二百五十四条第四項において「保全処分等」という。)を命ずることができる。
  一 破産手続開始前の再生債務者につき再生手続開始の申立ての棄却、再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止、再生計画不認可又は再生計画取消しの決定があった場合
  二 破産手続開始後の再生債務者につき再生計画認可の決定の確定により破産手続が効力を失った後に第百九十三条若しくは第百九十四条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定があった場合

2 裁判所は、前項第一号の規定による保全処分等を命じた場合において、前条第一項の規定による破産手続開始の決定をしないこととしたときは、遅滞なく、当該保全処分等を取り消さなければならない。

3 第一項第一号の規定による保全処分等は、同号に規定する決定を取り消す決定があったときは、その効力を失う。同項第二号の再生手続廃止又は再生計画取消しの決定を取り消す決定があったときにおける同号の規定による保全処分等についても、同様とする。

4 破産法第二十四条第四項、第二十五条第六項、第二十八条第三項、第九十一条第五項及び第百七十一条第四項の規定にかかわらず、第二項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができない。

2020/04/05(日)民事再生法第252条(再生手続の終了に伴う破産手続における破産法の適用関係)

 (再生手続の終了に伴う破産手続における破産法の適用関係)
第二百五十二条 破産手続開始前の再生債務者に関する次に掲げる場合における破産法の関係規定(破産法第七十一条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第七十二条第一項第四号並びに第二項第二号及び第三号、第百六十条(第一項第一号を除く。)、第百六十二条(第一項第二号を除く。)、第百六十三条第二項、第百六十四条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)、第百六十六条並びに第百六十七条第二項(同法第百七十条第二項において準用する場合を含む。)の規定をいう。第三項において同じ。)の適用については、再生手続開始の申立て等(再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止若しくは再生計画不認可の決定又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)が確定した場合にあっては再生手続開始の申立て、再生手続開始によって効力を失った特別清算の手続における特別清算開始の申立て又は破産法第二百六十五条の罪に該当することとなる再生債務者、その法定代理人若しくは再生債務者の理事、取締役、執行役若しくはこれらに準ずる者の行為をいい、再生計画取消しの決定であって再生手続の終了前にされた申立てに基づくもの以外のものが確定した場合にあっては再生計画取消しの申立てをいう。以下この項において同じ。)は、当該再生手続開始の申立て等の前に破産手続開始の申立てがないときに限り、破産手続開始の申立てとみなす。
  一 第二百五十条第一項の規定による破産手続開始の決定があった場合
  二 再生手続開始の申立ての棄却の決定の確定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、当該決定の確定後に破産手続開始の決定があった場合
  三 再生手続開始の決定前にされた破産手続開始の申立てに基づき、再生手続開始の決定の取消しの決定の確定後、第百九十一条から第百九十三条まで、第二百三十七条及び第二百四十三条の規定による再生計画認可の決定の確定前の再生手続廃止の決定の確定後又は再生計画不認可の決定の確定後に、破産手続開始の決定があった場合
  四 第二百四十九条第一項前段の規定による破産手続開始の申立てに基づき、破産手続開始の決定があった場合

2 再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定による再生手続の終了に伴い前項各号に規定する破産手続開始の決定があった場合における破産法第百七十六条前段の規定の適用については、再生手続開始の決定の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。

3 破産手続開始後の再生債務者について第二百四十九条第一項後段の規定による破産手続開始の申立てに基づいて破産手続開始の決定があった場合又は第二百五十条第二項の規定による破産手続開始の決定があった場合における破産法の関係規定の適用については、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申立てがあった時に破産手続開始の申立てがあったものとみなす。
一 第百九十三条若しくは第百九十四条の規定による再生手続廃止又は再生計画取消しの決定(再生手続の終了前にされた申立てに基づくものに限る。)の確定に伴い破産手続開始の決定があった場合 再生計画認可の決定の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の申立て
二 再生計画取消しの決定で前号に掲げるもの以外のものの確定に伴い破産手続開始の決定があった場合 再生計画取消しの申立て

4 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合(同項第一号に掲げる場合に限る。)における破産法第百七十六条前段の規定の適用については、再生計画認可の決定の確定によって効力を失った破産手続における破産手続開始の日を同条前段の破産手続開始の日とみなす。

5 第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定があった場合(同項第二号に掲げる場合を除く。)における破産法第百四十九条第一項の規定の適用については、同項中「破産手続開始前三月間」とあるのは、「破産手続開始前三月間(破産手続開始の日前に再生手続開始の決定があるときは、再生手続開始前三月間)」とする。

6 前項に規定する破産手続開始の決定があった場合には、共益債権(再生手続が開始されなかった場合における第五十条第二項並びに第百二十条第一項及び第四項に規定する請求権を含む。)は、財団債権とする。破産手続開始後の再生債務者について再生手続開始の申立ての棄却、第百九十一条から第百九十三条まで、第二百三十七条及び第二百四十三条の規定による再生計画認可の決定の確定前の再生手続廃止又は再生計画不認可の決定の確定によって破産手続が続行された場合も、同様とする。

2020/04/04(土)民事再生法第253条(破産債権の届出を要しない旨の決定)

 (破産債権の届出を要しない旨の決定)
第二百五十三条 裁判所(破産事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。次項において同じ。)は、前条第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定をする場合において、終了した再生手続において届出があった再生債権の内容及び原因並びに議決権の額、第百五条第一項本文に規定する異議等のある再生債権の数、再生計画による権利の変更の有無及び内容その他の事情を考慮して相当と認めるときは、当該決定と同時に、破産債権であって当該再生手続において再生債権としての届出があったもの(再生手続開始前の罰金等及び共助対象外国租税の請求権を除く。以下この条において同じ。)を有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨の決定をすることができる。

2 裁判所は、前項の規定による決定をしたときは、破産法第三十二条第一項の規定による公告に、破産債権であって前項の再生手続において再生債権としての届出があったものを有する破産債権者は当該破産債権の届出をすることを要しない旨を掲げ、かつ、その旨を知れている破産債権者に通知しなければならない。

3 第一項の規定による決定があった場合には、同項の再生手続において再生債権としての届出があった債権については、当該再生債権としての届出をした者(当該再生手続において当該届出があった債権について届出名義の変更を受けた者がある場合にあっては、その者。第六項において同じ。)が、破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間の初日に、破産債権の届出(同項第四号に掲げる事項の届出を含む。)をしたものとみなす。

4 前項の場合においては、当該再生債権としての届出があった債権についての次の各号に掲げる事項の届出の区分に応じ、破産債権の届出としてそれぞれ当該各号に定める事項の届出をしたものとみなす。
  一 第八十七条第一項第三号ロからニまでに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権についての議決権の額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
  二 当該再生債権としての届出があった債権のうち前号に掲げる債権以外のものについての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権の原因の届出 破産法第百十一条第一項第一号に掲げる破産債権の額及び原因の届出
  三 第八十四条第二項各号に掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
  四 第八十七条第一項第一号、第二号又は第三号イに掲げる債権についての第九十四条第一項に規定する再生債権の内容としての額及び再生債権についての議決権の額の届出 届出があった再生債権の内容としての額から届出があった再生債権についての議決権の額を控除した額に係る部分につき破産法第百十一条第一項第三号に掲げる劣後的破産債権である旨の届出
  五 約定劣後再生債権である旨の届出があった債権についての第九十四条第一項に規定するその旨の届出 破産法第百十一条第一項第三号に掲げる約定劣後破産債権である旨の届出
  六 第九十四条第二項に規定する別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出 破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額の届出

5 前項各号(第四号を除く。)の規定にかかわらず、第一項の再生手続が小規模個人再生又は給与所得者等再生であるときは、届出があった再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額(第二百二十五条の規定により届出をしたものとみなされる再生債権の額及び原因並びに担保不足見込額を含む。)を破産債権の額及び原因並びに破産法第百十一条第二項第二号に掲げる別除権の行使によって弁済を受けることができないと見込まれる債権の額として届出をしたものとみなす。

6 前三項の規定は、当該再生債権としての届出をした者が破産法第百十一条第一項に規定する債権届出期間内に破産債権の届出をした場合には、当該再生債権としての届出をした者が有する第三項の再生債権としての届出があった債権については、適用しない。

7 前各項の規定は、再生計画の履行完了前に再生債務者についてされる破産手続開始の決定に係る破産手続について準用する。

2020/04/03(金)民事再生法第254条(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え等の取扱い)

(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え等の取扱い)
第二百五十四条 再生計画不認可、再生手続廃止又は再生計画取消しの決定の確定により再生手続が終了した場合において、第二百五十二条第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定があったときは、第六十八条第二項又は第百三十七条第六項の規定により中断した同条第一項の訴えに係る訴訟手続(再生手続が終了した際現に係属する同項の訴えに係る訴訟手続で第百四十一条第一項の規定により中断しているものを含む。第三項及び第四項において同じ。)は、破産管財人においてこれを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

2 前項の場合においては、相手方の否認権限を有する監督委員又は管財人に対する訴訟費用請求権は、財団債権とする。

3 第一項の場合において、第六十八条第二項又は第百三十七条第六項の規定により中断した同条第一項の訴えに係る訴訟手続について第一項の規定による受継があるまでに破産手続が終了したときは、当該訴訟手続は、終了する。

4 第六十八条第二項又は第百三十七条第六項の規定により中断した同条第一項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の再生債務者についての再生事件に係るものは、その中断の日から一月(その期間中に第二百五十一条第一項第一号の規定による保全処分等又は第二百五十二条第二項各号に掲げる破産手続開始の申立てに係る破産手続における保全処分等がされていた期間があるときは、当該期間を除く。)以内に第二百五十二条第一項各号に規定する破産手続開始の決定がされていないときは、終了する。

5 第百十二条の二第一項の規定により引き続き係属するものとされる第百五条第一項本文の査定の申立てに係る査定の手続は、第二百五十二条第一項各号又は第三項に規定する破産手続開始の決定があったときは、終了するものとする。この場合においては、第百十二条の二第三項の規定は、適用しない。

6 第四項の規定は、第百十二条の二第四項の規定により中断した第百六条第一項の訴えに係る訴訟手続であって破産手続開始前の再生債務者についての再生事件に係るものについて準用する。

2020/04/02(木)民事再生法第255条(詐欺再生罪)

(詐欺再生罪)
第二百五十五条 再生手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、次の各号のいずれかに該当する行為をした者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知って、第四号に掲げる行為の相手方となった者も、再生手続開始の決定が確定したときは、同様とする。
  一 債務者の財産を隠匿し、又は損壊する行為
  二 債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
  三 債務者の財産の現状を改変して、その価格を減損する行為
  四 債務者の財産を債権者の不利益に処分し、又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為

2 前項に規定するもののほか、債務者について管理命令又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら、債権者を害する目的で、管財人の承諾その他の正当な理由がなく、その債務者の財産を取得し、又は第三者に取得させた者も、同項と同様とする。

2020/04/01(水)民事再生法第256条(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)

(特定の債権者に対する担保の供与等の罪)
第二百五十六条 債務者が、再生手続開始の前後を問わず、特定の債権者に対する債務について、他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって債務者の義務に属せず又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをし、再生手続開始の決定が確定したときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2020/03/31(火)民事再生法第257条(監督委員等の特別背任罪)

(監督委員等の特別背任罪)
第二百五十七条 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人、個人再生委員、管財人代理又は保全管理人代理が、自己若しくは第三者の利益を図り又は債権者に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、債権者に財産上の損害を加えたときは、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 監督委員、調査委員、管財人、保全管理人又は個人再生委員(以下この項において「監督委員等」という。)が法人であるときは、前項の規定は、監督委員等の職務を行う役員又は職員に適用する。

2020/03/30(月)民事再生法第258条(報告及び検査の拒絶等の罪)

(報告及び検査の拒絶等の罪)
第二百五十八条 第五十九条第一項各号に掲げる者若しくは同項第二号から第五号までに掲げる者であった者が、同項若しくは同条第二項において準用する同条第一項(これらの規定を第六十三条、第七十八条又は第八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は再生債務者若しくはその法定代理人が第二百二十三条第八項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 第五十九条第一項第二号から第五号までに掲げる者若しくは当該各号に掲げる者であった者(以下この項において「報告義務者」という。)の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第四項において「代表者等」という。)が、その報告義務者の業務に関し、同条第一項若しくは同条第二項において準用する同条第一項(これらの規定を第六十三条、第七十八条又は第八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたとき、又は再生債務者の法定代理人の代理人、使用人その他の従業者が、その法定代理人の業務に関し、第二百二十三条第八項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による報告を拒み、若しくは虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。

3 再生債務者が第五十九条第一項(第六十三条、第七十八条又は第八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだとき、又は再生債務者若しくはその法定代理人が第二百二十三条第八項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒んだときも、第一項と同様とする。

4 第五十九条第三項に規定する再生債務者の子会社等(同条第四項の規定により再生債務者の子会社等とみなされるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者等が、その再生債務者の子会社等の業務に関し、同条第三項(第六十三条、第七十八条又は第八十三条第一項において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第一項と同様とする。

2020/03/29(日)民事再生法第259条(業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪)

(業務及び財産の状況に関する物件の隠滅等の罪)
第二百五十九条 再生手続開始の前後を問わず、債権者を害する目的で、債務者の業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造した者は、債務者について再生手続開始の決定が確定したときは、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。